一昔前、60歳定年のみが当たり前だった時代、継続雇用定着促進助成金なる助成金がありました。
いわゆる助成金バブルの時代、数多くの社会保険労務士がその代行申請で事務所経営の基盤を作ったと言われている助成金のうちのひとつでした。
かくいう私は平成13年からこの仕事をしているので、このバブルは経験することができなかったわけですが、あの頃のいろいろあった助成金の中で、最も社会に貢献したのではと思える助成金でした。
で、それの後継となっているのがこの奨励金です。
ひらたく言えば、70歳まで従業員を雇用する制度を作った企業に対するご褒美となる奨励金です。
条件はいくつかありますが、一番のポイントは60歳以上の雇用保険被保険者を現に雇用していることでしょう。
現在、65歳まで現役の時代ということにはなっていますが、現行法の縛りでは、定年はあくまでも60歳です。
希望者全員を65歳まで雇用すれば、法違反とはなりません。
そして、継続雇用時の労働条件には、継続雇用制度の場合、何の制限もありません。
※定年延長だと雇用契約が一旦終了しないので、以前の労働条件を不当に下げることはできません…。
つまり、経営者として、この人をこの条件で雇用したいという条件を提示できるのです。
※あまりに不当なものは問題が出てくるとは思いますが…。
実際、今の時代、60歳定年で『今の給与で雇用し続けるなら退職して欲しい。』とは思っていたとしても、組織にとっては、まだまだ戦力になる年齢です。
年齢だけを理由に絶対退職という意向がなければ、60歳定年・70歳まで希望者全員を継続雇用というのは、そんなに不都合な制度ではないと思います。
なお、奨励金は、65歳以上への定年延長でも申請できますし、条件によって金額も様々です。
継続雇用義務化後、法改正への就業規則の対応が1年以上前になされていることも要件です。
昔のように高額を5年間給付ということではなく、低額を1回きりの申請ですが、もらえないよりもらうほうが良いと思いませんか?
詳細は、独立行政法人高齢障害者雇用支援機構のホームページをご確認ください。
もし、窓口に相談しにくいことがあれば、お気軽にご相談ください。
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