4月1日より、改正労働基準法が施行されます。
大きな目玉は、月60時間を超える時間外労働に対する割増率の引上げです。
中小企業については、3年間の猶予措置がありますので、私どものお客様にあまり関係ないかと思っておりました。
が、中小企業の定義を確認しますと、落とし穴が…。
業種 |
資本金の額または 出資の総額 |
または |
常時使用する 労働者数 |
小売業 |
5,000万円以下 | または |
50人以下 |
サービス業 |
5,000万円以下 | または | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | または | 100人以下 |
その他 |
3億円以下 | または |
300人以下 |
中小企業の定義で『または』ということなので、割増賃金の引き上げの対象となる中小企業以外は、上記の条件の両方を満たす場合ということになります。
長くなりますが、業種の考え方を下記に表記します。
【業種】日本標準産業分類(第12回改定(平成20年4月1日施行)に基づく)
(小売業)
大分類I(卸売業、小売業)のうち
中分類56(各種商品小売業)
中分類57(織物・衣服・身の回り品小売業)
中分類58(飲食料品小売業)
中分類59(機械器具小売業)
中分類60(その他の小売業)
中分類61(無店舗小売業)
大分類M(宿泊業、飲食サービス業)のうち
中分類76(飲食店)
中分類77(持ち帰り・配達飲食サービス業)
(サービス業)
大分類G(情報通信業)のうち
中分類38(放送業)
中分類39(情報サービス業)
小分類411(映像情報制作・配給業)
小分類412(音声情報制作業)
小分類415(広告制作業)
小分類416(映像・音声・文字情報制作に附帯するサービス業)
大分類K(不動産業、物品賃貸業)のうち
小分類693(駐車場業)
中分類70(物品賃貸業)
大分類L(学術研究、専門・技術サービス業)
大分類M(宿泊業、飲食サービス業)のうち
中分類75(宿泊業)
大分類N(生活関連サービス業、娯楽業)ただし、小分類791(旅行業)は除く
大分類O(教育、学習支援業)
大分類P(医療、福祉)
大分類Q(複合サービス業)
大分類R(サービス業<他に分類されないもの>)
(卸売業)
大分類I(卸売業、小売業)のうち
中分類50(各種商品卸売業)
中分類51(繊維、衣服等卸売業)
中分類52(飲食料品卸売業)
中分類53(建築材料、鉱物・金属材料等卸売業)
中分類54(機械器具卸売業)
中分類55(その他の卸売業)
医療機関や社会福祉法人は、サービス業に分類されることになります。
医療法人の場合は、資本金5,000万円以上かつ従業員100名以上で対象。
社会福祉法人の場合は、資本金の概念がないので、従業員100名以上のみで対象。
思った以上に適用となるところがあるようです。
該当するところで、特に、月60時間を超える時間外労働が発生しているところは、急ぎ対応をご検討ください。
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