残業代不払請求対策について、お話する機会が多くなってきています。
繰り返しお話していることですが、利息の過払い返還請求に対して活躍された専門家が、次のターゲットとしているのが、残業代の不払請求です。
これには、そもそもとして2つの対抗策が存在します。
・残業代の不払いをなくす。
・不払い請求を起こそうとは思わない関係を構築する。
これらが、さらに個別の対策へと分かれていくわけです。
残業代の不払い請求対策だけを考えれば、残業代の不払いをなくせばリスクはなくなります。
しかし、従業員のモチベーションが高まるかと言えば、高まるはずがありません。
また制度導入時に理解を得るためには、従業員との信頼関係が必要です。
テクニック的な手法によってのみ、残業代の不払い対策を行うことは、残業代の不払い請求のリスクをなくす、あるいは軽減する代わりに、モチベーションの低下や離職率の上昇など、別のリスクを抱えることになりかねません。
そうした意味でも、『不払い請求を起こそうとは思わない関係を構築する。』ことは、必要不可欠なのです。
この道程は簡単なものではありません。
経営者にとっては耳の痛い話になります。
・社員は使うもの。
・給料を払ってやっている。
こういうスタンスで、一歩上にいては、こうした関係を構築することは難しいでしょう。
社員をパートナーだと捉えて付き合い、尊敬できる立ち居振る舞いをすることで、結果として得られるのが、この経営者の下で働きたいと思っているレベルの信頼なのです。
今、給料の未払いが生じたとして、御社の社員のどれだけが、それでも良い、一緒に会社を立て直そうと言ってくれるでしょう?
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