ここのところ、今日のセミナーのために、追加資料として、適切な判例を整理していた。
そのせいもあってか、労働者側の弁護士さんのホームページや労働組合のホームページにたどりつくことも多数ありました。
『残業代の不払いは悪』
そうなんです。法律違反ですから…。
中には、当然ひどいケースもあります。
別に私も、そんなケースで会社の肩を持とうとしているわけではありません。
心身に異常をきたすような労働はなくさなくてはいけません。
私は、“残業代”と“心身に異常をきたすような労働”とは別問題で、別の対処が適切だと思っています。
あえて、“長時間労働”と書いていないのは、心身に異常をきたすような労働は、長時間だけに限らないからです。
どの業種・業態も苦戦を強いられている現状、でも、中小企業も生き残っていかなければならない中、杓子定規な労働基準法の適用が常に正しいのかという疑問があります。
経営者は社員の働きに敏感です。
小企業の経営者であれば、稼いでくる社員と稼がない社員を肌で感じられるはずです。
そうした稼いでくる社員を手放したくありませんから、当然それなりの処遇をしたいわけです。しかし、労働時間というのは、えてしてその評価に比例しません。
しかし、労働基準法上は、時間に応じた賃金の支払いを求めてくるのです。
もちろん、心身の異常があっても、それに周囲が気づかない、気づいていても対処をしないというのは、あってはならないことです。
法律は守らなくてはなりません。
心身に異常をきたす可能性がある労働はなくさなくてはいけません。
労働者の心身の健康状態を把握しなければいけません。
でも、会社を存続させなければなりません。
そして経営者はその責任の全てを被るのです。
今、残業代不払請求という現状の構図を打ち破ることが一般化してくる中、放っておけば、請求に基づく支払は当然のこと、その後は今のルールに追加で残業代を払うことを強いられます。
他の労働者が望む、望まないにしても…。
だからこそ、労使関係が正常な今、経営者主導で、くさいものにふたをしないで、これらの対策をしていくことが非常に大事だと考えるのです。
何より大事なのは…
・労使間の信頼関係を崩壊させないこと
・経営者と労働者が心身ともに健康でいられる環境を作ること
だと思っています。
どちらかの立場に立って戦うのは弁護士さんの役割です。
私は、社会保険労務士。戦いを起こさせないために存在する人間です。
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