河北新報社の記事です。
「名ばかり管理職」に残業代を 福井、760万円請求
勤務時間に裁量や権限がない「名ばかり管理職」で、残業代などが支払われなかったのは不当だとして、石川、 福井、岐阜の3県に展開する外食チェーン「ビリオンフーズハヤシ」(福井市)の元店長の男性(34)=福井県鯖江市=が7日、約760万円の支払いを求め る労働審判を福井地裁に申し立てた。
申立書によると、男性は2009年2月から約1年間、福井、石川両県で居酒屋店長などを務めた。退職後に未払い残業代を請求したが、会社側は、残業代の支払い義務がない労働基準法上の管理監督者だとして支払いを拒否したという。
男性側は、午後4時から翌日午前3時まで連日働く生活が常態化して勤務時間を決められる自由がなく、管理監督者に当たらないとしている。
会社側は「残業代として月12万5千円の職務手当を払っていた。違法とは認識していない」と話している。
記事だけを読むと、経営側としては、しんどい内容ですね。
そもそも、一店舗の店長が会社全体の経営に関わっているとはなかなか言いづらいです。
店長を労働基準法上の、労働時間の適用除外となる管理監督者とするのは、無理があります。
最終的には、管理監督者だと言っておきながら、残業代の定額払いをしているとの主張が記載してあります。
これから争っていくのでしょうが、もらっていないという訴えを起こしている以上、少なくとも明確には伝えていなかったのでしょう。
125,000円というそれなりの職務手当を払っていたわけですから、きっちりと定義して説明していれば、こうした事態には陥らなかったはずです。
残業代の固定払いというのは、経営者としては、せこいと思われそうな内容です。
固定払い自体が、給与を制限するイメージが強いこともあって言いづらいのでしょうか?
しかし、経営状況を考えれば、時間対応ですべて賃金を支払う体系を取れば、固定額の支給が抑えられるのは当たり前です。
世の中全体で、時間対応の残業代が払われるのが当たり前になれば、おそらくは、賃金低下が起こるはずです。
この経営者がどうだったかはわかりませんが、単純に時間ではなく、能力や成果など、時間以外の評価軸で給与を支給したいと考える経営者がほとんどではないでしょうか?
決して、恥ずかしいことではありません。
最終的には、頑張ったことに対して報いるわけであり、その方法が違うだけです。
ちゃんと定義して、ちゃんと伝える。
これだけで防げる、これだけでリスクを軽減できる。
ちゃんとコミュニケーションを取れば、理解もしてもらえる。
1日でもはやく対応しておきませんか?
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