【質問】
勝手に残業をする社員がいます。私から見れば、時間内の過ごし方をもう少しうまくやれば、残業の必要がないように思えるのですが、自主的に残業をしていて、残業代を請求してくる様子もないので放置しています。大丈夫でしょうか?
【回答】
残業代は自主的な残業だから払わなくても良いということはありません。それが、業務でないなら、業務でないことを明確にしておく必要がありますし、業務なら残業代支払わなくてはいけません。
在職中は大丈夫でも、退職と同時に遡って2年間請求されるかもしれません。仕事のやり方を注意指導するとともに、どうしても今のままの勤務(自主的残業)を続けたい場合は、現状と同じ支給額で残業代を払えている形にするなどの対処が必要です。
【解説】
事業主には労働者の労働時間を把握する義務があります。
ですから、勝手にやっているから知らないでは済みません。そして、労働であれば、当然に時間外手当が発生します。
このケースでは、時間内の仕事の仕方に問題があるように認識されているので、その改善を求める必要があるでしょう。
ただ、私は、こうしたきっちりと法律を守るために、頑張り方が少し違うだけの今回の労働者に、残業を減らすように無理強いするのは、マイナスに作用すると考えています。
あくまでも、毎日遅くまで頑張ってくれていることを認めた上で、仕事のやり方として、今のスタイルが本人がやりやすいのであれば、今のままの状態で法律上問題のない形を作り出すのがベストだと考えます。
ですから、賞与と給与のバランスを変えたり、時間外手当の定額払いを導入するなどして、労使がやりやすい方法を模索することをお勧めします。
コメントをお書きください