【質問】
社員が裁判員制度の裁判員に選ばれました。結果的に5日間仕事を休んだのですが、これはどのように取り扱えば良いのでしょうか?
【回答】
裁判員としての職務をおこなうことを禁じることはできませんが、それによって休んだ日を有給にするか、無給にするかは自由です。
【解説】
回答の通り、現状では法的な拘束はありません。
無給として、有給休暇を申請してもらうことも何の問題もありません。
もちろん、有給として、出勤したものとして取り扱うことも問題ありません。
裁判員候補者の段階で最高8,000円、裁判員になると最高10,000円の日当が支給されます。
ただし、これは、普段の給与とは全く関係なく、全員均等に支払われるものです。
人によっては、普段より多くなることもあるし、少なくなることもあると思われます。
ただ、経営者としては、実際に勤務してもらえなかったわけですから、替わりの人間に働いてもらったり、他の日の残業が増える可能性が高いため、無条件に勤務したものとみなすというわけにはいかないと思います。
これもまた自由なだけに、決めづらく、処理に困る内容です。
日当が出ますから、原則は無給とし、有給休暇を取得してもらうのが妥当なラインと思われ、実際の運用も同様にされているケースが多いように思います。
その場合、有給休暇の残日数が少ない者、発生していない者の取扱いをどうするかという悩みも浮上します。
そこに救済措置を作るか、それは仕方ないこととあきらめてもらうかも、これまた自由なわけです。
アドバイスを求められた場合は、有給休暇の取得状況もお聞きして検討してもらうようにお願いしています。
当たり前に全員が完全消化に近い状態になっている事業所では、無給にして有給休暇を取得するようにお願いするとブーイングが起こりかねません。
消化率が低い事業所ではさしたる問題にならないでしょう。
その他、前更新時に時効で消えた分があればそれを使って良いような特別な措置や、新規発生分から使用するルールになっている事業所で繰り越し分を使って良いようにするなど、中間措置も含めて、不満につながらない程度に、事業所として有利な措置を決めてもらうというのが、ベストではないでしょうか?
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