【質問】
解雇した社員から、解雇理由通知書を求められました。そもそもどんな書類ですか?
【回答】
解雇理由通知書というのは、読んで字のごとく、解雇した理由を記載して本人に告げるものです。
労働者が希望する場合には、お渡ししなければならない書類です。
【解説】
労働者がこれを求めてくるいうことは、解雇に納得していなくて労働基準監督署に相談に行ったということが予測されます。
監督署は、決して労働者の一方的な味方ではありません。あくまでも労働基準法が遵守されるように監督している機関です。
相談に来た労働者に対して『解雇理由通知書をもらってきてください』とお願いするようです。それを見て、どういった解雇だったのかを判断するわけです。
※その時に、『解雇予告通知書はもらわれましたか?』という質問も、解雇予告手当の関係でされるようで、一緒に求められるケースが多いようです。解雇は30日前の予告が必要です。予告が遅れた、あるいはない場合は解雇予告手当が必要になりますので、その確認ですね。ただ、解雇予告は必ず書面でないといけないということもありませんので、落ち度があったと思ってもらう必要はありません。
※解雇予告手当については、原則として予告と同時に支払うことになっています。ですが、支払う日数を明確に通知してあれば、解雇日までに支払えば良いので、『何日後に解雇します。30日に満たない○日分については、解雇予告手当を支払います。』と伝えておけば良いわけです。
話を戻します。
この解雇理由通知書を見て、監督官があきらかに問題があると判断した場合は、労働基準監督署が注意・指導に動きます。
しかし、微妙なケースや、第三者的に解雇もやむなしと判断できるケースでは、監督署は動きません。厳密に言えば動けません。
ゆえに、この解雇理由通知書の書き方によって、その後の流れが変わっていくわけです。
もちろん、嘘を書いてはいけません。万一、その後さらに進んで、あっせん・労働審判・裁判などになった場合に、その通知書に嘘の内容があるとなると明らかに不利になります。
また、主観の入った人格否定は、労働者の感情を煽ることになり、次のステップに進む可能性を高めてしまいます。
ですから…。
事実である事象を列挙記載してください。
思い出せばたくさんあるはずです。解雇に至るまでの原因となった言動が…。
その人がどうこうではなく、その人の言動を説明してください。
そして『改善を求めたが、改善がない上、改善しようという動き・気持ちが感じられなかった。』最後に、『上記のような言動から、事業主の代理行為をお任せすることはできないと判断した。』と続けていけば、おおよその解雇の内容は、正しく伝わります。
感情や主観での人格否定が全面に出ると、監督署も正当な手続きが踏まれた解雇ではないのではと思いますし、その後のステップでも同様に受け取られます。
相手のことを思って理由を変えるのも、その後のステップに進んだ場合に不利が生じる可能性があります。あくまでも、事実である事象の列挙が基本です。
結局は主観を書いても、正当かどうかを判断するのは第三者なのですから。
また、上記のような流れが作れない解雇であれば、そもそもその解雇が正当だったのかということを考え直す必要が出てきます。主観・感情が入ったことを、お詫びしないといけないかもしれません。
解雇はないほうが良いに決まっています。ですが、雇用継続が両者にとって良くない結果につながるケースもあると思います。
戦いに時間を費やすのはもったいない話です。無用な争いを招く解雇理由通知書を作らないように気をつけてください。
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sino (木曜日, 13 12月 2012 21:53)
sindeisyoweseikyuusitarakaikotoittenaitoiwareta
sino (木曜日, 13 12月 2012 21:57)
sinseisyowaseikyuusitararoumusigakaikotoittenaitoittekitemometeru
河原 義徳 (金曜日, 14 12月 2012 08:58)
真実はひとつで、最終的には第三者判断にゆだねるしかないと思います。
・コミュニケーション不足による誤解
・コミュニケーション不足による誤解と見せかけた言い訳
紙一重だと思います。
労使双方に言えることですが、大事なことはちゃんと話すようにしないといけないなと思います。
書き込みをいただいた件がどうこうということではないことをご理解ください。