では、先週金曜日の続きです。
先週金曜日のブログはこちら。
1年単位の変形労働時間制についての解説です。
2085時間を1年の中で自由に振り分けることができるのがメリットという説明をしました。
しかし、完全に自由というわけではなく、一定の制限があります。
それがこちらです。
① 休日が1週間に1日確保できること。
② 1日10時間・週52時間を超える勤務にしないこと。
③ 週48時間を超える週が3週間続かないこと。
④ 週48時間を超える週が3カ月に3回以内であること。
つまり、総枠として、労働者に厳しい制度であるため、それが行き過ぎないように、その振り分け方を制限しているという考え方です。
また、もう一点大きなことが、手続きとして労使協定を結ぶ必要があるからです。労使による書面での約束ですね。
その協定を結ぶ段階、つまりは、区切った1年が始まる前に、その後1年間の勤務スケジュールを決定しておく必要があります。
一般的な決まった曜日がお休みの業種なら、年間カレンダーを組めば事が足りますが、シフト勤務や交代制の勤務の場合でも、それぞれの期間の労働日数・労働時間数を定めておく必要があります。
このあたりから、なんか面倒くさくなってきたでしょうか?
ただ、2085時間は魅力的ですよ。
年間休日が120日の会社というのは多くありますよね?週休2日で余分な休みがないとこれくらいになります。お盆と正月しっかり休むと125日を超えてきます。
年間休日120日、1日8時間労働だとすると、年間何時間の労働になると思われますか?
1960時間です。120時間の余裕があるわけです。
いわば、月10時間の残業代削減になります。
先ほど、労使協定が必要だというお話をしましたが、その他にも就業規則への記載が必要です。かつ、それらを労働基準監督署へ提出する必要もあります。
手間はかかりますが、そのメリットは大きいといえます。
また、並行して進めるべき話が、『勤務しなくても賃金を減額されない勤務時間』です。
9時から18時までの勤務を、9時から19時までに延長します。
しかし、18時に帰ったとしても賃金減額もしなければ評価を悪くすることもしないとすれば、単に残業のカウント開始時間が19時になっただけです。それでも不利益と言えば不利益ですが、説明の仕方次第では十分に理解を得られる内容ではないでしょうか?
では、残業の話になりましたので、明日は、1年単位の変形労働時間制導入時の残業の考え方について解説してみましょう。
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