【質問】
税制適格年金が平成24年3月で廃止になりますよね。未移行なんですが注意点はありますか?
【回答】
以下の内容をしっかりと認識した上で、対応してください。
・税制適格年金制度=退職金給付準備手段(お金の準備手段)
・退職金規程=退職金支給ルール
つまり、税制適格年金制度の移行も大切ですが、高利回りを想定した税制適格年金制度に合う内容になっている退職金規程を見直すことのほうが、数十倍大切なのです。
【解説】
税制適格年金の話ですが、当初からある大きな問題点は、回答でご説明した基本的な事項が理解されないままに検討が行われていることです。
税制適格年金の廃止についての問題点は…。
①積立不足が生じていること
②節税額ありき・高い予定利率で設計された、サイズの合っていない退職金制度
上記の2点です。
過ぎ去った部分については、当然従前の権利として守った上で、今後の退職金制度をどうしていくのかということが、検討されなければなりません。
期日までに移行すれば良いという感覚では、旧退職金制度による退職金債務がどんどんと増えていく以上、遅いのです。
まして、退職金制度を、通常は不利益に変更することになりますので、その検討・調整にも時間がかかります。
そのあたりを考慮すると、実は、もう本当にリミットの時期だと思われます。
移行先は、中小企業であれば、中退共にとりあえずということで良いのでしょうが、退職金制度を放置していたのでは、上記の①②の問題点がそのまま残っているということを、是非認識しておいてください。
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