今日は3日目。
『実際に相談されるセクシュアルハラスメント』というテーマです。
難しそうな話は昨日までとして、今日は、実際の相談がどんな感じかという話です。
ちょっと聞くと、『仕方ないんじゃないかな?』『悪気はないんだろうけど…』といった内容の事項が、すでにセクハラとされるケースが大手だけに限らず、中小零細企業においても起こってきているのです。
『○○ちゃん』という呼びかけに始まり…。
肩に手に触れる…。
体型などの容姿についての冗談を言う…。
下ネタを話す…。
お酒に誘う…。
福山雅治さんだったら大歓迎の上記の行為も、一般的な方が行えばセクハラ扱いされる可能性があります。
でも、清潔感がないと見られている男性がやってしまえば、完全にクレームです。訴えられかねません。
実際に相談があるケースでは、やはり、こうした、どこにでもある風景が問題となっているケースがほとんどです。
一昔前なら当たり前だった話。
すでに60歳前後の方に、時代が変わって、今はそうしたことがセクハラに該当するから行動を改めてくださいと言っても、通じないことも多いでしょう。
相談は被害者ではなく、経営者や総務担当者から来ますので、『うーん、その辺の世代だと、それくらいの行動は当り前に、悪気なくやりますよねぇ』と回答することから始めます。
一般的な犯罪行為とセクハラの有罪無罪の基準。どう違うと思いますか?
一般的な犯罪行為は、行為自体が有罪無罪の基準になります。
しかし、セクハラは、相手がどう感じたのか、相手がどうなったのかという、相手に与えた影響によって、有罪無罪が決定するのです。
もちろん、どういった行為がセクハラに該当するかということを、教育・指導することも大切です。
しかし、セクハラ指針のまま、危うきには近寄らないということで、周知徹底することも、前述のような、普通にセクハラ行為を行って働いてきた世代には必要でしょう。
しかし、現代の草食系男子と言われる世代は、ほうっておいても異性との関わりを積極的に持とうはしません。逆に変な溝ができてしまう可能性もあります。
痴漢と一緒で、被害者の発言が重要視されるため、もしかすると、自意識過剰な被害者の申出によって、ありもしないセクハラ行為で訴えられることもあるかもしれません。
『いやらしい目つきで見てきました。』
『脚や胸ばかり見られました。』
と言われても、確証はないわけですから…。
もちろん、そうだったかもしれません。
結局は労使関係と同じです。
人間関係が正常に機能していないから、労務トラブルが起きるように、労働者間が正常に機能していないから、セクハラで訴えられたりするのです。
もちろん、私たち社労士に相談が来る前に、即時訴訟となるような、どうしようもないセクハラはさておき、そうでないセクハラは、組織内の人間関係のいざこざが、セクハラを利用して表面化したものがほとんどです。
1日目、2日目でご説明した大原則をしっかりと周知徹底した上で、組織内のコミュニケーションの活発化を促すことによって、同じ事柄があったとしても、セクハラとならない環境を作っていけるはずです。
コメントをお書きください