患者さんに来てもらおうと思えば、患者さんの立場で、どうやって来院してくれているのかを考える必要があります。
その前に、患者さんのことを考えるためには、患者さんのことをわかっていないといけません。
来院するまでの思考を考えるにあたっては、以下のポイントが重要になります。
【患者さん(人間)は、そもそも面倒くさがり屋である。】
だから...
①そもそも医療機関に行きたいとは思っていない。
②医療機関に行かないといけないなら、日頃の生活リズムを変えず済むようにしたいと思っている。(立地・診療時間帯が合うところ)
③考えて済むなら調べたくない。
これらを踏まえて、患者さんが来院するまでの思考を考えるとこんな感じです。
1:患者さんが身体になんらかの異常を感じる。
健康な状態で医療機関に行こうと思う人は少ないです。
面倒ですから、医療機関にはできれば行きたくないものです。
何らかの異常を感じたからこそ、医療機関に行こうと思います。
2:医療機関に行かないといけないか考える。
発熱や痛みが激しい時などは、考えるまでもなく決定すると思います。
症状が軽い場合などは行かないといけないのかを考えます。
人間は面倒くさがり屋なので、まずは考えるのです。
3:医療機関に行かないといけないか調べる。
考えても結論がでなければ、仕方なく調べます。
現代ならインターネット、以前なら家庭の医学などでしょうか?
4:医療機関に行くことを決定する。
で、ようやく医療機関に行くことを決定するわけです。
5:行くことができる医療機関を考える。
やはり、面倒くさがり屋なので、まずは考えてみます。
かかりつけ医でもいれば、すぐに決定するでしょう。
以前、前を通った医院かもしれませんし駅で看板を見た医院かもしれません。
ご近所のお友達が話していた医院かもしれません。
ここで決定してしまうこともあるかもしれませんし、
決め手がなければ、次の行程に進むことになります。
6:行くことができる医療機関を調べる。
現代ならインターネット、以前ならタウンページでしょう。
つまり、地名+診療科目での検索が行われるわけです。
5で候補に挙がった医院を比較したり、新たに選択肢を加えたりします。
7:最後に選択肢にあがった医療機関から実際に行く医療機関を決定します。
こうして、患者さんは、来院してくれているのです。
もちろん、1から当たり前に7、つまり何かあればすぐに来院してくれるような患者さんをたくさん抱えることができれば、医師冥利に尽きるのかもしれませんが、現実には、なかなか難しいところです。
では、こうした患者さんの思考を踏まえて、患者さん来院前の施策について考えてみましょう。